HTT連携企業 京王電鉄株式会社 


京王電鉄
連携した取り組み
Coming soon
インタビュー
京王電鉄の環境配慮に対する基本姿勢
当社では、京王グループ理念に基づき、ステークホルダーの皆様の暮らしを支える事業を通じて、未来社会に豊かな環境を引き継ぐために、環境に配慮した様々な活動を行っています。
サステナビリティ経営の推進にあたっては、「環境にやさしく」というマテリアリティを掲げ、従来の環境目標をアップデートする形で、CO2排出量の削減目標として、2050年度実質ゼロ、中間地点となる2030年度にも鉄道事業においては、2013年度比46%削減の目標を設定しています。
京王グループの主力事業である鉄道は、他の輸送機関と比べて環境負荷が少ないという特性を活かし、今後も多くのお客様にご利用いただくことで、CO2排出量削減に貢献していきます。
京王電鉄の具体的な環境への取り組み
京王電鉄は、VVVFインバータ制御装置の全営業車両への導入や回生電力の活用により列車の消費電力を大幅に削減するとともに、駅施設への太陽光発電システム導入や蓄電装置の活用を通じて、再生可能エネルギーの拡充とエネルギー効率向上に取り組んでいます。
電気をへらす取組
車両のVVVFインバータ制御装置を1992年から順次導入し、2012年に全営業車両への整備完了。その後も装置の高機能化を推進し、2000系車両では従来車両と比べて消費電力を約70%削減。さらに、車両のブレーキ時に発生する回生電力を駅の照明や自動券売機などの電力に変換し、有効活用しています。
電気をつくる取組
永福町駅の通路屋根に透過式太陽光パネルを設置し、駅ビルの電力需要の一部を賄うほか、高幡不動乗務区・施設管理所、京王れーるランドにも太陽光発電システムを導入。これらの取り組みによって、クリーンエネルギー供給を拡大しています。
電気をためる取組
車両のブレーキ時に発生する回生電力を蓄電し、架線に戻すことで他の列車の使用電力を補う蓄電装置を導入。これにより、電力需要ピーク時の負荷を軽減し、全体的なエネルギー効率を向上させています。
京王電鉄がHTTと連携して取り組むアクション
京王電鉄は、東京都が推進するHTT(「へらす」「つくる」「ためる」)プロジェクトに賛同し、エネルギー使用の削減を中心とした取り組みを進めています。
電車の加速力や速度などに応じて、電圧や周波数を変化させながら効率よく動かす制御装置を1992年に導入して以降、継続的に導入と装置の更新を推進し、最新の車両では非搭載車両と比べて、約70%の消費電力量削減を実現します。
明大前駅や若葉台駅などで、太陽光パネルを設置し駅ビルの電力として利用している他、高幡不動乗務区・施設管理所、京王れーるランドに太陽光発電システムを導入し、施設内の電力として利用しています。
電車がブレーキをかけた際に発生する回生電力を列車に搭載された蓄電池に貯蔵し、貯蔵した電気を架線に戻すことで、他の電車が走行する際の電力として供給する装置を導入しております。
担当者の声
環境問題の取り組みを始めるきっかけ
環境問題に対する社会的関心が一段と高まるなか、環境保全への取り組みは京王グループ共通の課題であるとの認識から、環境教育の実施や、環境マネジメントシステムを導入しております。
鉄道は、自家用車などと比べ環境負荷が少なく、エネルギー効率に優れた交通手段ですが、エネルギーを多く使用する企業の社会的責任を果たすため、回生電力の有効活用やVVVFインバータ制御装置の導入などの省エネルギー化に努めて参りました。
環境への取組を通じて得た成果や感想
車両のVVVFインバータ制御装置の新設・更新を進めることで消費電力を段階的に削減し、VVVFインバータ制御装置未整備車両と比較して、約70%の消費電力削減を達成しました。
また、高幡不動駅の敷地内に、太陽光発電システムなど13種類の環境に配慮した設備を組み合わせて活用した、鉄道現業の事務所を開設しました。これにより従来の施設と比べて、約30%の省電力を実現しています。
今後の展望
京王グループ(連結)の非財務KPIとしてCO2排出量(Scope1、2)の削減目標を設定しています。CO2排出量を2050年度に実質ゼロにすることを目標としており、その中間地点である2030年度には連結として2019年度比30%、鉄道では2013年度比46%の削減を目指します。
財務の健全性と投資効果をみながら、省エネの着実な推進に取り組むとともに、技術革新の動向や事業採算性を踏まえて、再生可能エネルギーの導入などの検討も進め、脱炭素社会に向けた取り組みを積極的に進めてまいります。
まとめ
京王電鉄は2050年にCO₂実質ゼロを目指し、VVVFインバータ制御装置導入で列車消費電力を70%削減、回生電力活用や蓄電装置でエネルギー効率を向上しています。永福町駅や高幡不動乗務区をはじめとした、太陽光発電などのクリーンエネルギー供給を強化。これらの活動で今後も新型制御装置や再生エネ設備を拡充し、環境配慮型鉄道運営を推進してまいります。