お役立ちコラム
12月に入り、寒さも一段と厳しくなってまいりました。そんな冬は、年間でも最も電気代が高くなる傾向にあるのをご存知でしょうか?夏の厳しい暑さから、熱中症対策としても一日中エアコンをつけっぱなしにする夏の方が電気代が高くなるイメージを持つ方も多いですが、いずれの世帯でも冬の方が夏よりも電気代が高く、その差は約2倍に近いことが知られています。
その要因としては、夏に比べ冬の方が室内気温と室外気温差が大きく、差を埋め適温に近づけるために冬のエアコンをはじめとする暖房器具の消費電力が高いことや、日照時間が少ないことにより照明の使用時間が増加すること、湯船に浸かる回数が増えることによる給湯機の使用頻度増加などが挙げられます。
地球温暖化対策のための"節電"は身近な存在!
地球温暖化の要因や、気候危機深刻化の原因となる「温室効果ガス」の増加は、未来の地球にとって大きなテーマです。人間の活動などによって排出される「温室効果ガス」のうち、約4分の3にあたるのが石炭、石油、天然ガスといった「化石燃料」を燃やすことで発生する二酸化炭素(CO2)。そんな温室効果ガスの減少に向けた活動として、世界では、「気温上昇1.5℃未満。 2050年までにCO2排出量を実質ゼロ」にするという共通の目標を掲げており、東京都も、2050年のCO2実質ゼロに貢献する「ゼロエミッション東京」実現を目指しています。ですが、脱炭素社会へ向けた活動はハードルが高いのではと思われているのが現実です。

なんとなく自分に関係ないと思いがちなCO2の排出ですが、実は、冬を安心で快適に暮らすためにも欠かせない機器、エアコンも密接に関わっています。多くの人が毎日使用するルームエアコンは、製造から廃棄までに排出されるCO2の割合は「使うとき」が最も多く、全体の約89%に達します。つまり、エアコンをつけっぱなしにしない、など日々の自分の行動を見直すことで、CO2排出量を抑える"節電"や、節約にもつながるのです。
今日から取り入れられる!HTTアクション
異常な猛暑やゲリラ豪雨など、地球温暖化の影響はまったなしの状況にある現在、気候変動の危機に立ち向かうキーワードは「脱炭素化」です。個人や企業が今日からできるアクション"HTT"を意識し、暮らしを見直すことで『脱炭素社会』の実現につながります。また、"HTT"の取り組みを行うことで、節約につながり、家計負担も減ることがわかっています。
●STEP1:Hへらす(省エネで電力を「へらす」)
HTTアクションは、各家庭にあるエアコン、TV、冷蔵庫、トイレなど、実はみなさんの生活内でできることがたくさんあります。
※データ引用元:家庭の省エネハンドブック(令和7年3月、東京都環境局気候変動対策部家庭エネルギー対策課発行)
①リビングルーム編
⑴エアコンのフィルターをこまめに掃除(月2回程度)
→フィルターが目詰まりしているエアコン(2.2kW)と比較して....
⑵TVをつけている時間を1日1時間減らす(液晶テレビ50V型を想定)
→ いつもTVをつけている時間を比較して....
②掃除機パソコン編
⑴モップや雑巾を使って掃除機をかける時間を減らす
→掃除機の使用時間を1日3分短縮した場合と比較して....
⑵パソコンを使う時間を1日1時間減らす(デスクトップパソコンの場合)
→いつものパソコンの使用時間と比較して....
③暖房器具編
⑴電気カーペットの設定温度は「強」を「中」にする(3畳用で5時間/日使用想定)
→「強」のままと比較して....
⑵こたつ布団に上掛けとこたつ敷布団を合わせて使用する
→ こたつ布団だけの場合と、こたつ布団に上掛け・こたつ敷布団を併用比較して....
④キッチン編
⑴冷蔵庫は無駄な開閉をしない
→冷蔵庫の扉を旧JIS開閉試験で定める回数の開閉を行なった場合と、その2倍の回数を行なった場合を比較して....
⑵冷蔵庫を開けている時間を短くする
→冷蔵庫の扉を開けている時間が20秒の場合と、10秒の場合を比較して....
⑶食器を洗うときの温度設定は低温にする
→ 65Lの20℃水道水で、給湯器の設定温度を40℃を38℃にした場合を比較して....
※ガス
⑤水回り編
⑴こまめにシャワーを止める
→ 45℃のお湯を流す時間を1日1分短縮した場合と比較して....
4.4m³(水道)
⑵使用しないときは、電気便座の蓋を閉める
→ 便座の蓋を閉めた場合と、開けっぱなしの場合を比較して....
※貯湯式、冷房期間はオフを想定
●STEP2:T つくる(太陽光で電力を「つくる」)
Ⓗへらすで初めの第一歩を踏み出した後は、さらなるアクション「Ⓣつくる」を実践。太陽光パネルや蓄電池・EV車などの導入も検討しましょう。
東京都では、太陽光パネルや、蓄電池・EV車の導入を検討している方に向け、初期費用ゼロで太陽光パネルの設置が行えるような支援や、EV車への買換にともなう支援など充実した補助金や税制優遇も実施しています。
●STEP3:T ためる(蓄電池で電力を「ためる」)
「Ⓗへらす Ⓣつくる」を行った電力は「Ⓣためる」ことで災害時における防災機能としても役立てることができます。
予期せぬ停電や災害でも蓄電池やEVは、時間帯や天候に左右されない非常用電源として活用できるほか、とくにEVは一般家庭で必要な電力量の2〜4日分程度を貯めることができるため、停電時でも電気が使え、TVやスマートフォンなどで情報収集や安否確認を行うことが可能になります。近い将来の発生の切迫性が指摘されている大規模地震などにも備え、今から少しずつ安全のための準備も行いましょう。
今すぐ真似したい、冬の省エネ活動!節電アクション5選
これから迎える冬の厳しい寒さも暖かく、快適に過ごしながら省エネにもつながるTIPSをご紹介します。
①意外な設置場所!暖房器具は窓際に

暖かい空気は上に行ったあと、窓付近の冷たい空気に冷やされて下に流れるので足元が寒くなってしまいます。そのため、窓から冷気が入ってこないように窓付近に暖房器具を置くとよいです。
※石油やガスなどを燃やす滞留型のストーブは、暖められた空気をファンで送り出す温風型のストーブとは異なり、全体に熱を放射する特性があります。このためお部屋全体を暖める力が強く、特に広いスペースでの利用に適しています。
②実は冬にも大活躍!扇風機で部屋を暖かく

夏が終わると出番もなくなり、仕舞われやすい扇風機ですが、冬にも活躍できることをご存知でしょうか?暖かい空気は上にたまってしまいます。そこで、扇風機を天井に向けて回せば、暖かい空気が下りてきて、足元まで暖かさが広がります。サーキュレーターをお持ちでない方は、扇風機でぜひ空気の循環をお試しください。
③それって適温?体感温度を知る
体感温度≒(室温+放射温度)÷2。つまり室温が20℃でも、周囲の温度が14℃だと、体感温度はおおよそ17℃になります。その日の温度と室内温度を知ることで、エアコンの設定温度も工夫でき、また絨毯を敷いたり、分厚いカーテンを閉めることで部屋の温度も上がりやすくなり、より快適に過ごすことが可能になります。
➃暖かい工夫はリビングだけじゃない!トイレも暖かくなる方法

寒さ対策には銀マットが大活躍。トイレマットの下に銀マットを敷くことで、床や窓からの冷気を防いで、暖房効率をぐっと上げます。寒い冬は暖かいこたつやリビングから出たくなくなる季節。足元から冷えるキッチンや、トイレなど、さまざまな場所で簡単にできる工夫です。
⑤使用する水にも要注意!
冬の節約は電気の使用方法だけではありません。洗面所での手洗い、洗顔で使用する水は、1分間出しっぱなしにすることで、500mlのペットボトルで24本分、12Lにもなります。歯磨きや洗面中に水を流しっぱなしにせず、蛇口をこまめに閉めるだけで、大きな節水効果になります。
HTTとは
HTTとは、電力を「H(へらす)T(つくる)T(ためる)」をキーワードに、都民や事業者の皆さまと共に、気候危機への対応だけでなく、エネルギーの安定確保に向けたアクションを推進する取組です。今年度はHTTの取組に積極的にご協力いただける様々な企業等との連携を推進し、より多くの都民・事業者に向けて、HTTに関する理解促進等を進めています。
HTTは、決して難しいことではなく、私たちの毎日の暮らしの中に、そのヒントは溢れています。
Ⓗへらす(賢く電力を「へらす」)
最も身近で、すぐに始められるのが「へらす」アクションです。
エアコンの温度を1℃見直す、使わない照明を消す、古い家電を省エネ性能の高いものに買い替える。例えば、自宅の蛍光灯をLEDシーリングライトに交換するだけで、年間約2,190円、CO2に換算すると33.3kgもの削減可能です。
Ⓣつくる(クリーンな電力を「つくる」)
自宅の屋根等に太陽光パネルを設置し、自然の恵みからエネルギーを創出するアクションです。東京都では初期費用ゼロで始められる支援策もあり、エネルギーをただ消費するだけでなく、自ら生み出す「プロシューマー」という新しいライフスタイルへの転換を後押ししています。

Ⓣためる(つくった電力を「ためる」)
太陽光でつくった電気を蓄電池や電気自動車(EV)に貯めておけば、夜間や雨の日でもクリーンなエネルギーを使えます。さらにこの仕組みは、災害による停電時には「動く電源」として、命と暮らしを守るための重要なライフラインにもなります。クリーンなエネルギーを安定的に使うだけでなく、災害に強いまちづくりにも貢献する取組と言えます。
